集英社文庫から発売、井上理律子さんの『親を送る』の装画を担当させていただきました。
デザインは坂野公一さん(welle design)です。
両親を立て続けに看取った体験を綴った井上さんのエッセイです。
内容を読んだ時、この絵が思い浮かびました。
私の出身地では散居村が特徴的で、田植えをした後の水田に夕日が映り込む風景がとても見事です。
子供の頃、ランドセルを背負いながらこの景色に心を打たれておりました。
この世のものとは思えない幻想的な光に包まれる時間です。
長く続く一本道を走る車。バックミラーに映る犬。
夕焼けと田舎道というキーワードから、記憶の中の夕暮れを描かせていただきました。